スター・ウォーズをスクラッチした男 ── Skratch Bastid、バトルDJとパーティロッカーの両刀使い
Skratch Bastid 登録者 18.4万(2026年3月時点)
カナダ・ハリファックス出身のDMC殿堂入りターンテーブリスト Skratch Bastid。スター・ウォーズのスクラッチルーティンで1,200万再生、David Bowie 追悼で500万再生。バトルの超絶技巧とパーティの熱狂を一本の動画に詰め込むDJチャンネル。
2001年、Scribble Jam DJ Battle。若いカナダ人DJがターンテーブルに手を置き、『スター・ウォーズ』の「帝国のマーチ」をスクラッチで刻み始めた。その映像は後にYouTubeで1,200万回以上再生されることになる。Skratch Bastid ── 本名 Paul Murphy。バトルDJの切れ味とパーティロッカーの熱量を、ひとりの身体に収めた男のチャンネルです。
チャンネル概要
Skratch Bastid はカナダ・ノバスコシア州ハリファックス出身、現在はトロントを拠点に活動するターンテーブリスト/DJ/プロデューサー。登録者数は約18.4万人、総再生回数は 3,670万回超、動画本数は437本。2006年からYouTubeに動画を投稿し続けています。
13歳でDJを始め、父親が持っていた Technics SL シリーズのターンテーブルが原点。16歳にはクラブでプレイし、Scribble Jam DJ Battle で 3度の優勝(2003, 2004, 2007年)。2025年には東京で開催された DMC World Finals にて DMC Hall of Fame(殿堂入り) を果たし、「DMC Legend」の称号を手にしました。
DJ名の由来も面白い。仲間の Sixtoo がスクラッチの技を教えると、1週間後には完璧にマスターして戻ってくる。その姿を見て「Little Bastard」と呼ばれるようになり、ヒップホップ的にスペルを変えて「Bastid」に。
こんな人におすすめ
- スクラッチの超絶技巧を見てテンションを上げたい人
- DJパフォーマンスを「ショー」として楽しみたい人
- ヒップホップ、ファンク、ソウル、レゲエ、ダンスホール、ディスコが好きな人
- バトルDJの世界に興味があるけど入口が分からない人
- 「DJって何がすごいの?」という問いへの最高の回答を見たい人
言語・字幕について
メインコンテンツはDJパフォーマンス映像なので、言語の壁はゼロ。「Record of the Week」シリーズやインタビュー動画は英語ですが、パフォーマンスの迫力は言葉なしで100%伝わります。
チャンネルの雰囲気
Skratch Bastid のチャンネルには2つの顔があります。
ひとつはバトルDJの顔。正確無比なスクラッチ、複雑なジャグリング、楽曲の断片を再構成してまったく新しい音楽に変えるルーティン。Star Wars、Street Fighter、Aretha Franklin といったポップカルチャーの素材をターンテーブルで料理する発想力は唯一無二。
もうひとつはパーティロッカーの顔。「Bastid’s BBQ」と名付けた自身のイベントシリーズでは、DJ Premier、9th Wonder、Mix Master Mike、Warren G といったレジェンドをゲストに迎え、ブロックパーティの熱狂を映像に残しています。年間150本以上のショーをこなすロードウォリアーでもある。
本人の言葉がこのチャンネルの本質を端的に表しています。「ポジティブなエネルギーは伝染する。自分のやること、プレイする音楽を信じて楽しめば、あとは自然についてくる」。
注目の動画
Star Wars DJ Imperial March(Full Set) — 1,280万再生。チャンネル最大のバイラルヒット。2001年の Scribble Jam でのパフォーマンスをフルセットで収録。「スクラッチDJ」を知らない人でも思わず見入る圧倒的なエンタメ性。
Raptors Halftime Show(w/ DJ Jazzy Jeff, Hedspin, Four Color Zack) — 544万再生。NBAトロント・ラプターズのハーフタイムショー。DJ Jazzy Jeff との共演は、スクラッチDJがメインストリームのステージに立つ瞬間を象徴しています。
Sunday Evening Soul, Funk & Jazz Vinyl Pop Up — Paul’s Wall — 80万再生。自宅のレコード棚「Paul’s Wall」の前でソウル、ファンク、ジャズのヴァイナルをセレクト。バトルDJの別の顔 ── 選曲者としての深い音楽知識が光る。
2019 Showcase — Red Bull 3Style(Taipei) — 54万再生。Red Bull 3Style のグローバルアンバサダーとしてのショーケース。15分間にヒップホップからハウス、レゲエ、ポップまでを詰め込む、ジャンル横断の真骨頂。
“BBQ Boss” Serato Rane Twelves DJ Routine — 27万再生。Rane Twelve(モーターレスターンテーブルコントローラー)を使ったスタジオルーティン。機材の限界を引き出すテクニックが詰まっています。
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チャンネルの歩き方
まずは「Star Wars DJ Imperial March」。これでスクラッチの面白さと Skratch Bastid の個性が一発で分かります。次に「Paul’s Wall」シリーズで選曲者としての一面を。BBQイベントのリキャップ映像でパーティの空気感を味わったら、「Record of the Week(ROTW)」で毎週の選曲に触れてみてください。
「Record of the Week」は週1ペースの定番シリーズで、レコードを1枚ピックアップしてターンテーブルで実際にプレイしながら紹介する企画。ヴァイナルの魅力とDJの技が同時に楽しめます。
トリビュートの名手
Skratch Bastid の特筆すべき才能のひとつが、アーティスト追悼ルーティンの制作スピードと完成度。2016年1月の David Bowie 逝去時には数時間以内にトリビュートルーティンを制作・公開し、Facebook で500万再生、10万シェア以上。同年の Prince 逝去時にも即座にトリビュートを発表しました。
悲しみを技術と敬意に変換し、コミュニティと共有する。DJが「文化の語り部」になれることを証明するエピソードです。
DJの枠を超えて
パフォーマーとしてだけでなく、プロデューサーとしても実績を積んでいます。カナダのラッパー Buck 65 のアルバム Situation をプロデュースし、カナダ人DJとして初の Juno Award「Producer of the Year」ノミネート。弦楽四重奏団 Afiara String Quartet とのクロスオーバーアルバム Spin Cycle は「Instrumental Album of the Year」にノミネート。
さらにはホットソースブランド「Bastid’s Hot Sauce」も展開。Original、Garlic Hot、Jamaican Jerk Rub の3フレーバー。BBQイベントで「自分の味を提供したい」という思いから生まれた、DJらしからぬ事業展開です。
関連チャンネル
- DJ Angelo — UKのDMC世界王者。同じくジャンル横断スクラッチの達人。4台ターンテーブルの「4PLAY」が必見
- Bobby Nsenga — Bastid の「Paul’s Wall」がレコード棚の前でのセレクトなら、Bobby はリビングルームのソファでのヴァイナルDJ
- Boiler Room — ライブDJプラットフォームの最大手。世界各地のDJパフォーマンスを配信
- DJ Jazzy Jeff — ラプターズのハーフタイムショーで共演。スクラッチDJの大先輩
- A-Trak — Halifax 時代からの知り合い。バトルDJシーンの同世代
- JFB — UKのDMCチャンピオン。バトルスクラッチの同志
まとめ
「バトルDJの技術」と「パーティの熱量」は両立しないと思っている人にこそ見てほしいチャンネル。Skratch Bastid は両方を1本の動画に収め、さらにヴァイナルへの愛、プロデューサーとしての才能、ホットソースへの情熱まで詰め込んでくる。ターンテーブルという楽器の可能性は、まだまだ広い。