Channel 33 RPM — 元政治記者がレコード趣味を取材する。初心者にいちばん近いヴァイナル案内所
Channel 33 RPM 登録者 約8.96万人(2026年7月時点)
カナダの元新聞記者Frank Landryが、ターンテーブル検証、業界史、価格問題、視聴者の音楽部屋を軽快に取材。約9万人が集うヴァイナル文化チャンネル。
Channel 33 RPM — 元政治記者がレコード趣味を取材する。初心者にいちばん近いヴァイナル案内所
IKEAのレコードプレーヤーは本当に使えるのか。Columbia Houseは、なぜ「レコード12枚を1セント」で配って儲けられたのか。反った盤を600ドルの機械へ入れたら、元に戻るのか。
Channel 33 RPM は、そんな素朴な疑問を一本ずつ調べるチャンネルです。運営する Frank Landry はカナダの元新聞記者。レコード収集を神聖な趣味として囲い込まず、買う、聴く、保管する、失敗するという日常へ引き戻します。キャッチフレーズは「vinyl, gear and more」。そして根底にあるのは、音楽は楽しくあるべきだという姿勢です。
チャンネル概要
- 登録者数: 約8.96万人
- 総再生回数: 1,907万回以上
- 動画本数: 831本
- チャンネル開設: 2009年8月
- 本格始動: 2014年10月
- 投稿頻度: 主に日曜、ときどき金曜
- 拠点: カナダ・マニトバ州ウィニペグ近郊
2026年7月も毎週更新が続いています。最新回は視聴者の「Vinyl Den」を紹介する企画。その前には物理メディアを手放す前の注意、日本盤の開封、50ドルを超える新譜価格への疑問と、収集の楽しさから市場の変化までを横断しています。
元政治記者がカメラを回すまで
Frankが自分のお金で初めて買ったアルバムは、10歳のときの Quiet Riot『Metal Health』。1990年代にはCDへ移ったものの、レコードを手放しませんでした。2009年、妻の Sheri から父の日に KISS『Alive!』の180グラム再発盤を贈られ、収集熱が再燃します。
大学とカレッジで Creative Communications を学んだ後、カナダの新聞社で12年間、政治や市政を取材。紙媒体の記者を離れた後も「調べ、構成し、誰かへ届ける」感覚が恋しかったといいます。
2014年、子どもたちが眠った後の時間に、家族用のビデオカメラで撮影を開始。オンラインの Vinyl Community に触発された小さな趣味が、800本を超える映像アーカイブへ育ちました。自宅の一室、通称「Channel 33 RPM World Headquarters」には、2023年の地元紙取材時点で約2,000枚のレコードとCDが並んでいました。
こんな人におすすめ
- 初めてのターンテーブルを、価格帯ごとに現実的に選びたい人
- レコードの保管、内袋、反り、盤質などで失敗したくない人
- Columbia HouseやK-Telなど、北米の音楽メディア史が好きな人
- 新譜の高騰やプレス品質を、収集者目線で追いたい人
- 他人のレコード部屋や再生環境を見るのが好きな人
言語・字幕について
英語リスニングが必要なトーク系チャンネルです。ただし元記者らしく、一動画一テーマで論点が明確。製品レビューでは本体、端子、盤面を大きく映し、価格や機種名も画面に出るため、視覚情報からかなり補えます。
2026年の長尺動画にはチャプターが丁寧に付けられ、自動生成の英語字幕も利用できます。まずはターンテーブルの比較や開封回など、物が画面に出続ける動画から入ると理解しやすいでしょう。
チャンネルの3つの強み
1. 「友人に勧める」基準の機材レビュー
高価な機材を礼賛するのではなく、初心者がどこにお金を使うべきかを整理します。2026年版の推薦動画では、U-Turn Orbit Basicから Fluance RT82、Audio-Technica AT-LP120XUSB、Technics SL-100Cまで、250ドル以下から1,000ドル超を一続きで比較しています。
Frank自身はコレクションを整理した資金で Technics SL-1200MK2 を購入。使い続けた経験を公開するため、開封時の興奮だけで終わりません。
2. 新聞記事のように読める音楽メディア史
Columbia House、K-Tel、CD復権、レコード価格の上昇。懐かしさだけでなく、「その仕組みはどう回っていたのか」を短く調べて物語にします。政治記者時代のリサーチと構成力が、趣味の動画でそのまま生きています。
3. 愛好家だからこその批判
新品なのに反っている、内袋が盤を傷める、価格だけが上がる。Frankはレコードを愛しているからこそ、品質管理や価格設定を批判します。「プレミアム価格を払うなら、相応の品質を受け取るべき」という消費者目線が一貫しています。
注目の動画
「Is the IKEA record player any good? FULL REVIEW」(52万再生)
IKEAと Swedish House Mafia が手がけた OBEGRÄNSAD プレーヤーを開封し、実際に試す13分。身近なブランド、率直な検証、結論までのテンポというチャンネルの長所がすべて入った最多再生動画です。
「How Columbia House made money giving away records, tapes and CDs」(24.5万再生)
大量のレコードやCDをほぼ無料で配る音楽クラブは、どう利益を出したのか。Frank自身が16歳で会員だった記憶と、元記者の調査力が噛み合った代表シリーズです。
「6 turntables that I’d recommend to a friend in 2026」(10.9万再生)
予算別に6機種を選ぶ、現在の入門編。仕様表を読むだけではなく「友人へ本当に勧めるか」で判断するので、購入前の比較に使えます。
「I tried the ‘World’s Most Advanced Vinyl Flattener’」(10.7万再生)
地元レコード店から譲り受けた、販売不能なほど反った盤で WhiteBridge M2 をテスト。良い結果だけでなく、強い設定で“焼きすぎた”失敗も見せるのが Channel 33 RPM らしさです。
「These viewers are building their dream VINYL DENS」
2026年7月の最新シリーズ。視聴者から届いた部屋と機材の写真を紹介し、チャンネル名の「your channel」を具体的なコミュニティ企画にしています。
ハードロックから始まる、広い入口
Frankの中心には Black Sabbath、KISS、Alice Cooper、Van Halen、Judas Priest といったハードロックがあります。しかしチャンネルは特定ジャンルの収集自慢にはなりません。ブルース、カントリー、ジャズ、CD、カセット、ストリーミングにも開かれています。
10歳のFrankがレコード店で『Metal Health』を買ったとき、年上の客から趣味を笑われた。その記憶があるからこそ、他人の好みを見下さない。「良い音楽は良い音楽」という態度が、初心者にとっての居心地のよさを作っています。
チャンネルの歩き方
これから再生環境を作るなら、2026年版ターンテーブル6選から。すでに機材があるなら、内袋、保管棚、レコードウェイト、反り修正など、手元の悩みを検索してください。
物としてのレコードより文化史が好きなら、Columbia House二部作へ。コメント欄に視聴者自身の記憶が集まり、動画の先に北米の音楽消費史が広がります。
最後に「Vinyl Dens」シリーズを見ると、このチャンネルがFrank一人のコレクション紹介ではなく、視聴者の部屋まで含めたコミュニティだと分かります。
関連チャンネル
- Amoeba「What’s In My Bag?」 — 一人の収集家の実用情報ではなく、アーティストの選盤と語りから次に聴く一枚を見つける
- Too Many Records — YouTubeからレーベル、実店舗へ進んだポートランドの店主。Channel 33 RPMは消費者と元記者の目線を保つ
- Noble Records — 買い付け、希少盤、店舗運営の現場を見せる。機材と収集の入門ならChannel 33 RPMが先
- My Analog Journal — レコードについて「語る」Channel 33 RPMに対し、世界の盤をDJセットで「聴かせる」
- Vinyl Frontier — アジア盤をサンプリング素材として掘る、ビートメイカー側からのヴァイナル文化
まとめ
Channel 33 RPM の強さは、専門家を演じないことです。元政治記者の調査力を持ちながら、立場はあくまで、買って、試して、ときどき失敗する一人の音楽ファン。
機材選びから業界史、価格問題、視聴者の部屋までを「音楽は楽しい」という一本の糸でつなぐ。レコード収集を始めたい人が、最初に訪れて長く戻ってこられる案内所です。