レコードの Anthony Bourdain を目指す男 ── Too Many Records、ポートランドのヴァイナル偏愛チャンネル
Too Many Records 登録者 5.5万(2026年3月時点)
ポートランドでレコード店を営む Matt Kessler の YouTube チャンネル Too Many Records。ヴァイナル初心者ガイドから業界批評、レーベル運営まで、600本超の動画でレコード文化のすべてを語り尽くす5.5万人登録チャンネル。
3,000枚を超えるレコードコレクション、毎週水曜の動画投稿を4年間継続、そしてついに自分のレコード店をオープン── Matt Kessler の Too Many Records は、YouTube チャンネルがレコード店になり、レコードレーベルになり、ひとつの文化圏になっていく様子をリアルタイムで見せてくれるチャンネルです。
チャンネル概要
Too Many Records は、ポートランド在住の Matt Kessler が運営するヴァイナル専門チャンネル。2014年にスタートし、登録者数は約5.5万人、総再生回数は830万回超、動画本数は603本。「ヴァイナル好きによる、ヴァイナル好きのためのチャンネル」を掲げています。
Matt は父親のクラシックロックとフォークのコレクションに囲まれて育ち、The National の『Alligator』を映画のセット用に買ったのが最初のレコード。ターンテーブルを手に入れたのはその1〜2年後で、そこから収集が本格化。2012年頃からヴァイナルにのめり込み、友人に背中を押されてチャンネルを開設しました。
チャンネルは YouTube だけに留まりません。自主レーベル TMR を立ち上げて18枚以上のアルバムをリリースし、2022年5月にはポートランドの Arbor Lodge 地区に実店舗 Too Many Records をオープン。「レコードの Anthony Bourdain になりたい」と語り、音楽と旅を組み合わせたドキュメンタリー企画『No Skips』のパイロット版も制作しています。
こんな人におすすめ
- レコード収集を始めたばかりで、機材の選び方や保管方法を知りたい初心者
- レコード業界の裏側(プレス品質問題、Record Store Day の功罪など)に興味がある人
- Kanye、MF DOOM、Kendrick Lamar からヴェイパーウェイヴまで、ジャンルの壁なく音楽を楽しむ人
- 海外のレコード店文化、特にポートランドの音楽シーンを覗いてみたい人
- 将来レコード店やレーベルを運営したいと考えている人
言語・字幕について
完全にトーク主体のチャンネルなので英語リスニング力が必要です。ただし Matt の話し方は落ち着いていて聞き取りやすく、レコードのジャケットや盤面を映しながら話すので視覚情報も豊富。自動生成の英語字幕も利用可能です。
チャンネルの雰囲気
レコード好きの友達の家に遊びに行った感覚。Matt がコレクションを前にして「これ聴いた?最高だから」と語りかけてくる。レビューというよりも「推薦」のトーンで、押し付けがましさがなく、知識が自然に入ってくる。派手な編集はなく、音楽愛が伝わる誠実な語り口が600本の動画を支えています。
業界への率直な批評も特徴のひとつ。「このヴァイナルのトレンドは今すぐ消えるべき」(28万再生)、「レコード店の最悪な行為」(13万再生)のように、忖度なしの意見を述べるスタイルがコミュニティの信頼を集めています。
コンテンツの3つの柱
1. ヴァイナル入門・ガイド系
「My Vinyl Setup/Room Tour/Record Collecting 101」(11.5万再生)、「BEST Turntable Under $100」(9.8万再生)、「How To Pack And Ship Vinyl Records」など、初心者が知りたいことを網羅。ターンテーブルの選び方からレコードの配送方法まで、実用的な情報が詰まっています。
2. 業界批評・オピニオン系
「This Vinyl Record Trend Needs To Die IMMEDIATELY」(28万再生)が象徴するように、ヴァイナル業界の問題点をはっきり指摘。プレス品質の低下、価格高騰、Record Store Day の問題点など、愛があるからこそ言えるコンテンツ。
3. アルバムレビュー・ディグ系
新作レビュー、ハウル(買い物報告)、レコードショップ訪問記など。ヴェイパーウェイヴ、アンダーグラウンドヒップホップ、アンビエント、モダンクラシカルなど、メジャーどころだけでなくニッチなジャンルも積極的にカバー。
注目の動画
- This Vinyl Record Trend Needs To Die IMMEDIATELY — 28万再生。業界への切り込みが反響を呼んだ代表作
- I UPGRADED TO A $1600 TURNTABLE!!! — 13.4万再生。機材アップグレードのリアルな体験記
- The WORST Things Record Stores Do — 13万再生。レコード店好きだからこそ言える辛口批評
- My Vinyl Setup/Room Tour/Record Collecting 101 — 11.6万再生。レコード収集の入り口として最適
- Starting A Vinyl Record Collection at Amoeba with Carly Lane — 6.2万再生。LA の名物レコ屋 Amoeba での実地ディグ
YouTube → レーベル → レコード店
Too Many Records の面白さは、チャンネルが「事業」に発展していく過程をリアルタイムで追える点にあります。
レーベル TMR は QRATES を通じてスタートし、インディーフォークからヒップホップ、エレクトロニカまで18作品以上をリリース。ジャジーヒップホップの Marcus D. のリリースが最大のヒットとなりました。プレスには Gotta Groove Records や Wax Mage といった高品質の工場を起用するこだわりぶり。
実店舗 は2022年5月にオープン。新作よりも中古盤・レア盤・コレクターズアイテムに特化し、「従業員のお気に入り」ビンや「グレイル(至宝)」ビンなど、キュレーションにこだわった店づくり。YouTube の視聴者をわざわざ店に来させる「目的地型」の店舗設計です。
チャンネルの歩き方
レコード収集に興味があるなら「My Vinyl Setup/Room Tour/Record Collecting 101」から。11.6万再生の理由が分かる、入門の決定版です。
すでに集めている人は業界批評系から入ると共感の嵐。「This Vinyl Record Trend Needs To Die IMMEDIATELY」は意見がはっきりしていて痛快。
Matt の音楽センスを知りたいなら、ハウル(買い物報告)動画を何本か見てみてください。MF DOOM から Gabor Szabo まで、守備範囲の広さに驚くはずです。
関連チャンネル
海外
- Amoeba「What’s In My Bag?」 — Too Many Recordsが一人の収集と店舗運営を追うなら、毎回異なるアーティストの買い物から推薦の網を読む
- My Analog Journal — 世界のヴァイナルを聴かせる112万人チャンネル。Too Many Records が「語る」なら、My Analog Journal は「聴かせる」
- Vinyl Frontier — サンプリング素材としてのヴァイナルに特化。ビートメイカー視点のディグ
- Noble Records — NC州のレコード店主チャンネル。買い付け・開封・レア盤の話が豊富。Too Many Records と比較視聴が楽しい
- Channel 33 RPM — カナダ発の気取らないヴァイナルチャンネル。初心者にもっとも優しいトーン
日本
- MonkeyMuzik — ブーンバップ+ジャジー+ローファイに特化した日本のビートメイカー。レコードディグの文化的背景を理解するのに Too Many Records は最適
まとめ
Too Many Records は「レコードが好きすぎて店まで開いてしまった男」の軌跡です。初心者ガイドから業界批評、レーベル運営、実店舗まで、ヴァイナル文化のあらゆる側面を600本の動画でカバー。忖度なしの意見と音楽への深い愛情が同居する、海外レコード文化を知るための決定版チャンネルです。