音楽理論・解説 英語 / 英語字幕あり

David Bennett Piano — ヒット曲を弾けば、音楽理論は「耳で分かる」

David Bennett Music Theory 登録者 約131万人(2026年7月時点)

変拍子やコード進行を、The Beatles、Radiohead、J-POPなどの実例とピアノで解き明かす英国発の音楽理論チャンネル。

David Bennett Piano — ヒット曲を弾けば、音楽理論は「耳で分かる」

5拍子と聞くと難しそうなのに、「Take Five」や『ミッション:インポッシブル』のテーマを聴けば、その揺れ方はすぐ分かる。王道進行も、数字だけで覚えるよりJ-POPやアニメソングをピアノで並べてもらった方が早い。

David Bennett Piano は、そんなふうに理論用語を、知っている曲と実際の音へ結び直してくれるチャンネルだ。YouTube 上の現在のチャンネル名は「David Bennett Music Theory」だが、長く親しまれてきたハンドル @davidbennettpiano と、ピアノを中心にした解説スタイルは変わらない。

チャンネル概要

  • 登録者数: 約131万人(2026年7月時点)
  • 総再生回数: 2.21億回以上
  • 動画本数: 552本
  • チャンネル開設: 2015年3月(現在につながる教育動画の発信は2018年から)
  • 運営者: David Bennett(ピアニスト、作曲家、ソングライター、音楽教育者)
  • 拠点: 英国・ブライトン

David は11歳でピアノを習い始め、13歳から独学へ切り替え、21歳でフルタイムのプロ奏者になった。2018年に「音楽への情熱を共有する」ためYouTubeで本格的な発信を開始。現在は Rhodes、Native Instruments、Reason Studios、Hooktheory など、音楽教育・制作分野の企業との協働にも活動を広げている。

こんな人におすすめ

  • コード進行や拍子を、教科書ではなく好きな曲から学びたい人
  • The Beatles、Radiohead、Coldplayなどの曲を構造から聴き直したい人
  • 作曲やソングライティングの引き出しを増やしたい人
  • 「この2曲、なぜ似て聴こえる?」を理論的に整理したい人
  • J-POP、ゲーム音楽、西洋ポップスの違いと共通点に興味がある人
  • 英語の音楽用語に慣れながら、耳も一緒に鍛えたい人

言語・字幕について

解説は英語。代表的な長尺動画では英語の自動字幕を利用でき、YouTube の自動翻訳で日本語を選べる動画もある。David の発音は明瞭で、コード名や拍子は画面にも表示されるため、英語だけを頼りにする必要はない。

何より大きいのが、説明した内容をすぐピアノと原曲例で鳴らしてくれること。ナレーションを一文取りこぼしても、数字、鍵盤、楽譜、耳で意味を回収しやすい。英語の音楽理論チャンネルに初めて挑戦する人にも入りやすい部類だ。

チャンネルの雰囲気

動画の基本形はシンプルだ。David がカメラに向かってテーマを示し、ピアノで弾き、実際のヒット曲を次々と比較する。派手な演出よりも、「理論 → 実例 → もう一度ピアノ」という往復で理解させる編集が中心になっている。

強みは、専門用語を薄めすぎず、それでも入口をポップカルチャーに置くバランスだ。5/4拍子、借用和音、教会旋法といった話も、Radiohead や Taylor Swift、The Beatles の一節から始まる。理論をルールとして押しつけるのではなく、好きな音楽の中ですでに起きていることへ名前を付ける教え方だから、知識が鑑賞体験から離れない。

近年はコード進行や変拍子だけでなく、似ている曲と著作権、バンド文化、AI音楽など、音楽を取り巻く話題にも射程を広げている。それでも分析の基準点には、いつも「実際にどう聴こえるか」がある。

注目の動画

「Songs that use 5/4 time」(約662万再生)

Dave Brubeck、Radiohead、Taylor Swift、Gorillaz、Nick Drake などを横断し、5/4拍子の多様な感じ方を紹介するチャンネル最多再生級の一本。「変拍子=難解」という印象が、17分で「この揺れ、知っている」に変わる。

「Japan’s favourite chord progression and why it works」(約593万再生)

日本で「王道進行」と呼ばれる IV–V–iii–vi を、J-POPやゲーム音楽だけの特殊例にせず、西洋ポップスとの比較まで含めて分析する。日本の視聴者にとっては、身近な響きを英語圏の視点から聴き直せる絶好の入口だ。

「Songs that use the Creep chord progression」(約443万再生)

Radiohead「Creep」で耳に残るコード進行を起点に、同じ骨格を持つ楽曲を比較する。「同じコードなのに、なぜ別の曲として成立するのか」を考える材料にもなる。

「The Music Theory Iceberg Explained」(約233万再生)

基礎的な音名やコードから、微分音、調律、より珍しい理論概念までを43分で潜っていく長編。個別動画をたくさん見た後の総復習にも、自分が次に学ぶテーマを探す地図にも使える。

「Songs that use the 4-5-6-1 chord progression」

2026年7月公開。Glass Animals、The Killers、Muse、Elliott Smith などの例を通して、同じ進行がポップスの中でどう姿を変えるかを追う。チャンネルの現在地を知るなら、この新しい一本から入るのもいい。

チャンネルの歩き方

まずは知っている曲から。「Songs that use…」シリーズの一覧を眺めて、好きなアーティストが出てくる一本を選ぶ。前提知識がなくても、音の比較だけでテーマをつかめる。

作曲に活かしたいなら、よく使われるコード進行の動画から、モード、借用和音、転調へ進む。Hooktheory を使った分析や、実際のピアノ演奏を止めながら自分でも弾くと理解が定着しやすい。

一段深く潜るなら、「The Music Theory Iceberg Explained」を目次として使う。知らなかった概念を見つけたら、その言葉でチャンネル内検索するのがおすすめだ。

音楽文化まで見渡したいなら、「似ている曲」シリーズや2026年の「Where have all the bands gone?」へ。音符の仕組みだけでなく、曲が生まれ、聴かれる環境へ視点が広がる。

解説者の先にいる、ひとりの音楽家

David は教育動画だけでなく、自作曲も Spotify や Bandcamp で発表している。2020年のEP『The Longest March』、2024年の『The Sea In July』を経て、2026年にはデビューアルバム『Under An Empty Sky』をリリースした。

ArtMaster ではピアノや音楽理論のコースを展開し、Patreon では動画テーマの投票や制作過程を共有。2026年にはクリエイターへのインタビューポッドキャスト「How Do You Do?」も開始した。分析する人と作る人が分かれていないからこそ、動画の理論が「曲を書くための生きた道具」として伝わってくる。

関連チャンネル

  • Adam Neely — ジャズ、リズム、文化批評まで踏み込む音楽理論。David がポップスの身近な実例から入るなら、Adam は問いそのものを深く掘る
  • 12tone — 名曲の構造を手描きで分析。ピアノ実演とは違う、五線紙とアニメーションの理解しやすさがある
  • Polyphonic — 音楽史と文化の映像エッセイ。理論から一歩引いて、作品が生まれた背景を知りたいときに
  • Andrew Huang — 音楽理論を制作と実験へ直結させるクリエイター。学んだ概念を「使ってみる」刺激が欲しい人に
  • Nahre Sol — クラシックの語彙からファンク、即興、現代音楽へ踏み出し、学ぶ過程そのものを見せるピアニスト
  • Charles Cornell — 映画やゲームの一場面へ入り、耳で拾った仕掛けを鍵盤で解く。Davidとは2026年のポッドキャストでも制作の歩みを語り合っている

まとめ

David Bennett Piano は、音楽理論を暗記科目からリスニングの楽しみへ戻してくれるチャンネルだ。知っている曲を入口にして、ピアノで確かめ、別の曲へつなげていく。動画を一本見終える頃には、いつものプレイリストの中からコード進行や拍子が少しずつ聴こえてくる。