プロダクション教育 英語 / 英語字幕あり

You Suck at Producing — 「制作が下手だ」と言いながら、Abletonを一番やさしく教える

You Suck at Producing 登録者 約40.4万人(2026年7月時点)

Underbellyの乾いたユーモアと確かな実演で、Ableton Live、ミキシング、作曲、サウンドデザインを学ぶ制作チャンネル。

You Suck at Producing — 「制作が下手だ」と言いながら、Abletonを一番やさしく教える

冒頭から「Hi, I’m Underbelly, and you suck at producing.」。褒めて伸ばす気はなさそうなのに、数分後にはサイドチェインの意味が前より分かっている。しかも、妙に耳へ残る「wowzers」まで覚えてしまう。

You Suck at Producing は、プロデューサーの Underbelly が運営する音楽制作チャンネルだ。冷静すぎる声、容赦のないチャンネル名、少し不穏な冗談。その奥では、Ableton Live の操作を「何を押すか」だけでなく「音がなぜ変わるか」まで丁寧に教えている。

チャンネル概要

  • 登録者数: 約40.4万人(2026年7月時点)
  • 総再生回数: 2,119万回以上
  • 動画本数: 474本
  • チャンネル開設: 2013年9月
  • 運営者: Timothy Linetsky(アーティスト名: Underbelly)
  • 専門: Ableton Live、作曲、アレンジ、音楽理論、サウンドデザイン、ミキシング

Underbelly は7歳からクラシックピアノを学んだプロデューサー、DJ、教育者で、Ableton の認定トレーナーでもある。オンラインの個人レッスンに加え、Ableton 公式の「Made in Ableton Live」にも登場し、音のエネルギーを軸にしたアレンジやInstrument Rack、ベースのサウンドデザインを実演している。

動画は短いチュートリアル、長めの制作解説、ライブ配信、Shorts が混在。2026年も Ableton Live 12 を使ったUKダブステップ、リディム、2ステップの制作や、新しい学習アプリの開発まで活発に発信している。

こんな人におすすめ

  • Ableton Live を開いたものの、どこから触ればいいか分からない人
  • 操作手順だけでなく、ミキシングや音作りの考え方を学びたい人
  • 真面目一辺倒のチュートリアルだと集中が続かない人
  • ドラムを人間らしく打ち込みたい人
  • ベースミュージック、ハイパーポップ、実験的な電子音に興味がある人
  • 失敗を笑いながら試行錯誤できる制作コミュニティを探している人

言語・字幕について

全編英語で、英語の自動字幕を利用できる。代表動画では自動翻訳の選択肢も確認できるが、独特の抑揚、造語、冗談は字幕だけでは拾いにくいことがある。

一方、操作はほぼすべて Ableton Live の画面上で実演される。マウスの動き、パラメーター、変化前後の音を追えば、細部を聞き逃しても要点はつかみやすい。まず英語字幕をオンにし、必要な箇所だけ速度を落として見るのがおすすめだ。

チャンネルの雰囲気

最大の特徴は、教育とキャラクターが完全に一体化していること。コンプレッサーやフィルターを人のように扱い、わざと変な覚え方を教え、突然こちらの自尊心を小突いてくる。それでも肝心な設定画面はきちんと見せ、処理前後を聴き比べ、使いどころまで説明する。

このユーモアは、制作の失敗を恥ずかしいものにしないための装置でもある。「あなたはまだ下手」という前提を全員で共有してしまえば、分からないことを隠す必要がない。チャンネルの外にある Discord コミュニティ名も「We Suck at Producing」。講師と受講者を上下に分けるより、みんなで失敗しながら前へ進む空気を作っている。

教材の中心は Ableton Live だが、扱う原理はDAWを越えて使える。ゲインステージング、パン、サイドチェイン、ドラムのベロシティ、音色のレイヤー、アレンジのエネルギーといった考え方は、別のDAWでもそのまま応用できる。

注目の動画

「Writing MIDI Drums that sound REAL」(約65万再生)

ジャズ、ロック、ファンクを題材に、MIDIドラムへ人間らしい動きとニュアンスを持たせる方法を解説する人気作。グリッドへ音を置くだけの状態から、ジャンルごとの「演奏」へ近づけていく。

「You Suck At Producing - Chopping Samples」(約56万再生)

2013年公開の初期作にして、今もよく見られているサンプリング入門。チャンネル名の挑発的なユーモアと、画面を見れば手順が分かる実用性が、すでにこの一本で成立している。

「5 Ways To Make Any Genre Sound ‘Hyper’」(約43万再生)

ドラムの加工、Xfer Serum を使った音作り、Aberrant DSP Digitalis のようなグリッチ系プラグインなどを組み合わせ、ジャンルを「ハイパー」に押し広げる。単機能の説明ではなく、音のキャラクターを変える発想をまとめて学べる一本だ。

「How to Sidechain Everything in Ableton Live」(約31万再生)

コンプレッサーだけでなく、Auto Filter などへサイドチェイン信号を使う発想を4分強で紹介。短く、変で、実践的というチャンネルの魅力が凝縮されている。

「You Suck at Producing: Getting Started」(約29万再生)

Ableton Live の導入から画面の見方、オーディオとMIDIの違いまで扱う入門編。公開時期が古いため現在の Live とは外観が異なるが、「最初の音を出す」までの考え方は今も役立つ。

2026年の新展開 — beatspark

2026年、Underbelly は beatspark を公開した。これは動画を別画面で見るのではなく、インタラクティブな制作レッスンを Ableton Live の中へ持ち込むアプリだ。公式サイトでは、macOS と Ableton Live 12.4.2以降の Suite が必要と案内されている。

YouTubeで説明を見てから自分のプロジェクトへ戻ると、さっきの設定を忘れている——その小さな断絶を埋める試みと言える。2026年7月には「I made Duolingo for Ableton」や、UKダブステップのレッスンを実際に試す動画を公開。YouTubeの人気講師が、学習体験そのものを製品として設計し始めた点にも注目したい。

チャンネルの歩き方

完全な初心者なら、「Getting Started」から「Creating Drum Beats」へ。画面の違いに戸惑ったら、最近の Live 12 動画を併用するといい。

ミックスを学びたいなら、「You Suck at Mixing」シリーズへ。Relative Volumes and Gainstaging、Panning、Sidechain の順に見ると、音量、定位、動きの関係がつながる。

サウンドデザインが目的なら、「Making Sounds Dreamy with Ableton’s Grain Delay」から「5 Ways To Make Any Genre Sound ‘Hyper’」へ。ストックデバイスの使い方から、Serum や Digitalis を含む攻めた処理へ段階的に進める。

今のUnderbellyを追うなら、beatspark のデモと制作ライブへ。完成した教材だけでなく、アイデアを試し、音を選び直す過程まで見られる。Patreon と Discord には、より近い距離で制作を続けたい人向けの導線もある。

関連チャンネル

  • Underdog Electronic Music School — 同じAbleton Live軸でも、図解と原理からリズムやアレンジを整理する。ジョークと具体操作のUnderbellyとは違う角度で制作を学べる
  • In The Mix — 落ち着いて体系的に学べる制作・ミキシング教育。Underbelly の冗談が強すぎる日に、同じ原理を別の語り口で確認できる
  • Andrew Huang — Ableton Live を創作実験へ使う達人。Underbelly で覚えた技法を、制約やサンプルから作品へ広げたい人に
  • Simon Servida — FL Studio を軸にしたビートメイキング。DAWの違いを越えて、作曲とプロデュースの判断を比較できる
  • Red Means Recording — ハードウェアとモジュラーシンセ中心の制作。画面内の Ableton から一度離れ、音を手で組み立てる面白さへ
  • Venus Theory — 同じくサウンドデザインと制作を扱うが、Underbelly がユーモアと具体操作で教えるなら、Venus Theory は作曲の判断と創作哲学まで掘り下げる

まとめ

You Suck at Producing は、制作の難しさを小さく見せるのではなく、笑える大きさまで誇張してくれるチャンネルだ。Ableton Live を触る手は具体的で、説明の芯は驚くほど真面目。自分の下手さに落ち込むくらいなら、Underbelly と一緒に「まだ下手だ」と笑って、次の一手を試せばいい。